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2005年03月12日

【回顧】弥生賞 BY 京介

今週の中山は開催前の日に雪が残り、土曜日曜とも湿った影響が残りました。
また開催当日も北から強い風が吹き通しで、日中の最高気温が何と4度強。コースの横には大量に残った雪。
3月に入ったにもかかわらず、極寒とも言える寒さの中でした。
今年の弥生賞はダート変更もありうるんじゃないかと言われたほどですし、
ここ10年の中でも相当寒い部類に入るのではないでしょうか。
レース後にごくまともな芝レース並の結果が記録されてること自体、後から考えれば不思議に思います。

こういう気候が続くと単に能力だけの問題ではなく、
厳しい冬場を順調に過ごせたか、能力を発揮できるレベルまで現状高められているかも
これからの弥生賞で求められる課題になるかもしれません。

レースはどちらかというとスロー、と言う程度から比較的上がり勝負に偏った、というぐらいの展開。
高いレベルで拮抗する馬同士が駆け引きでペースを極端に下げたというわけではなく、
10頭しか集まらずに積極的にペースを作る実力がある馬もいなければ、
まあこの程度のペースだろう流れで落ち着いたというところでしょう。
特に冒険するような馬もいませんでしたし、
取り立てて何か独特の展開になったというわけでもないです。

隊列が固定されてから展開が動いたのは3角のディープインパクトの捲り。
もちろん他の各馬もそれを見て動き出していて、
4角カーブでは目がある馬は全馬先頭に出てて肩を並べてるわけですから、
いかにもなわかりやすい力勝負になったと見るのが妥当な所でしょう。
難しいことをせず、駆け引きなしの力勝負をして決まった着順が現時点での結果だと言うことだと思います。
ただ、それは2000mにおける適性がこれからも覆らない決定的なモノだというわけではなく、
当日の状態面、あるいはまだ未完成な部分含めての話だということです。

「まだ、ディープインパクトは抜けて強い」という表現にとどめておきましょう。


1着:ディープインパクト

数字は450kgを切ってるが、単純に隣のエイシンサリヴァンなどに比べても抜けて背が高く、脚も長い。
480〜490kgはあるような背丈と体躯の大きさに見える。トモ幅なども十分にある。
無駄肉があまりなく、姿勢も良い上に筋のいい駐立もできるからだろう。
どこかの口が言うような、数字通り体の小ぢんまりした馬が…というようなものでは決してない。
また当日二人引きで少しせわしなくチャカ付く気配だったが、
何をどう動いても背中の面だけがビシッと決まっていてブレる事なく全く動かない。
かといってトモや首差しにいい遊びはあり、決して筋肉の硬い馬が緊張しているわけではない。
馬のほうから騎座をピタッと決めてくれるようなもので、これは鞍上からすれば乗りやすいはずだ。
後肢の踏み込みもビシッビシッと決まるし、相当に強力なキックと安定した姿勢の良さを両立できている。
パワーで押すタイプの馬と比較して、バランスの良さが徹底している方面の馬に思えた。
少し前脚は歪んでいて繋が内向加減。
左前の蹄の先端、全体面積8分の1程度にパテ状のもので補整した跡がある。エクイロックスのようだ。

出脚は馬ナリにてそれほど急ぐ仕草もなく後方から。
3角過ぎ、残り600m切る辺りから馬群の外を勢い良く駆けて出て、
一気に外を捲りきって直線向くと馬場外目を先頭に並んで全く勢い止まらず。
インからロスのない競馬をしたアドマイヤジャパンが手応え十分に食い下がったが、
坂上でもまだ止まらない。残り50m辺りで手前を替えてもう一伸びし、追撃を封じた。
そこまで楽ではないと思うが、明らかな力差を見せ付けての完勝。

馬力の良さと体の伸び、非常に柔軟な走り。レースを見ていても体が浮いている様子がわかる。
今回少頭数で紛れも起きにくく単純能力比較のレースになるだろう前提で、
同じメンバーであれば何度戦っても勝てただろう。
単体として見るとあまり弱点らしい弱点はなく、少し左手前を使いたがらない様子があるぐらい。
ただ少頭数〜馬ナリ追走で能力差に任せてOKのレースばかり続いているため、
馬込みに一度沈めてから器用さを発揮する競馬をした事がない。
本番フルゲートの多頭数で今回よりも距離ロスの大きい競馬をするならば、
またアドマイヤジャパン、マイネルレコルトと同程度の馬がもし5〜6頭ほどいたら、
の仮定を考えると危うさはありそうだ。
今回からまたさらに飛びぬけた成長を見せれば、それも杞憂に終わるだろうが。


2着:アドマイヤジャパン

少し余裕は感じるもののトモや腹回りの幅が確りし、張り艶が半端なく良くなった。
元からバランス良い馬体だったし、これから一気に充実期を迎えそう。上積み十分。
特に痛い所のあった前脚の影響で縮こまった動きの周回だったのが全くなくなり、
踏み込みも良くなり手先に力がキッチリ入るようになって
体の柔らかさを前面に押し出すようになってきたのは大きい。
返し馬では抜群のバネを見せていた。

前走のフニャフニャした出脚もなく、今回はゲートをスッと出てキチッと好位奪いに行く。
超スローを絶好の4番手で抑えて乗り、ディープインパクトの捲りを見つつ内で我慢。
直線入ったところで相手が横に並んだと同時に叩き出し、
グイグイ反応して坂上は一旦捲り完封の差し脚見せるかという所だったが相手がまた伸びた。

形としては力任せの競馬をする相手に対し、全くロスのない競馬で対抗したものの完敗した形だが、
出負け癖や加速にモタ付く面もなくなり、鞍上の指示に素直で優等生の競馬が出来たのは大きい。
相手は強大だが、この馬もタイトルに向けての階段を一歩上れたと判断して良さそうだ。


3着:マイネルレコルト

今日はとにかく硬かった。背中からトモに至る線が窮屈に見えて、しなりを感じず動きがカチコチ。
妙に歩幅も極端に狭くなっていた。いい時はこの細身の体がバネを感じさせる。
体はビッシリ仕上がっていて途上だとか言うものではない。多少毛艶も見せなかったが、これは元から。
以前はやたら目立った骨瘤やソエは、もうほとんど跡だけだし歩様に影響も出ていない。

レースでは出脚も付いているしキチッと首を使い体も伸びる動きをしている。
1角過ぎからやや行きたがるのか手綱引き気味でもハナに並びに行く。
すぐに折り合った辺り、掛かった影響などは微小。
4角でも仕掛けつつ余力はあるが、外からディープインパクトが並んできた勢いに抵抗できず、
この馬も伸びてはいるものの相手に並び返せない。着差は僅かだが、力比べでの完敗。

直線での比較では、いわゆる体の伸び、ストライドの大きさで劣った格好。
胴伸びがある馬ではなく、手先の軽さで勝負するタイプなだけに、
道中スンナリのレースよりも、この距離であればもっと器用さ・俊敏さを生かしたい。
当日の印象だともっと負けると思ってただけに、個人的にポテンシャルから考えてこの着差は健闘の部類。
一度使って体の柔らかさが戻れば、また違う結果が出る可能性も十分ありうる。


4着:ダイワキングコン

腹目あって筋肉質の体型だが張りが抜群に良く、馬自体は前走よりもさらに上向いてきた。
骨太でトモ・腹大きいダート体型で、
芝の中距離の柔らかさやバネの良さを求めようとすると返答に詰まるが、芝もやれないことはない。

まずは好スタートからすぐにハナの隊列を決める。
道中は横と駆け引きすることもなく馬任せの逃げ。3角辺りから手綱をくれて引き離す。
後続や有力どころの追撃にすぐ捕まってしまうものの、
直線最後まで余力は残っているし走りもこの馬なりに確りしていた。
仮に前残り馬場だったとしても、道中から真横で楽していたマイネルレコルトに半馬身差の抵抗は
初芝・初距離としては大健闘と言える。3歳同士なら別に芝でも。マイル行きたい。

投稿者 kyo : 2005年03月12日 02:34